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Scene. 0

──── まえがきとして

(ChatGPTとの共同作業で創作する試み、その始まり)

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 いま、きみに、ここを開かれ

(活字、組み始めてすぐだったから、さ)

 きみが、ここを開いた、その拍子にわたしは

(活版室で、並べかけの文選箱、ひっくり返してしまいまして)

 わたしと、きみのあいだで、小さな星や氷片の散った音がして

(漢字の、はね、はらいの鋭利さや、仮名のゆみの曲がりなどは)

 結晶が、窓に当たるときのように

(ここに、微妙な音の違いを作ったでしょう)

 それは、組みかけた字が落ちて、散らばったときの音でした。

 わたしたちは(これを読むあなたとわたし)、慌てて落とした字を拾い始め。

 そうそう、きみが拾った分の字は、きみの手からじかに受け取って(でも、拾い集めた字をみて、わたし気づいてはいたんです)

 ──── きみの中の深いところへも、活字がいくつか落ちてしまって、見えなくなってしまったってこと。

 あるいは、そう、あるいはいくつかは、きみの気持ちの枝葉に引っかかって、どうにも取れなくなってしまったかもしれないってこと。

(無かったことにもできない、そういうことがあって)

 きっと知らず、きみはこの場面を過去にし、次のシーンへ移っていく。

(わたしが、きみに告げなかったから)

 ここから、並走した車両が離れていくように、それぞれの道は違ってしまうでしょう。

 わたしは活版を組む作業を再開していて、もうそのための部屋にいます。

 きみは次の場面、屋上の空や、公園の風や、昼食の匂いの中にいるのかもしれません。

(私にわからないこと)

 きっと、きみは次のシーンで、ちょっとした新しい発見や、予期せぬ出会いなんかもしていることでしょう。

 でも、

(でも、きみが持っていってしまった活字があることで、私には、ここに並べる言葉が、見つからなくなってしまった)

 そう、この先とは、いったい何の話だったろう。

 ……この話、

(また活字で並べることができなくなってしまっている)

 休憩を告げるベルが鳴ったので、わたしは作業を中断し、夜食をとりに部屋を移します。

 最近はお茶を飲み、おにぎりをふたつ、食べるようにしています。

 薄めの塩水を手のひらに回して握っておき、海苔は食べるとき、ピンと張るように巻くんです。

 いつもの夜食を、いつもの通り、口に運んでいましたが、その間も、なにか、どうしても言いたかったことがあったような、そんな気がしています。

 でも、何を言いたかったのかを表すための、そうです、活字が足りません。

 休憩を終えるベルが鳴ったので、わたしは作業部屋へ戻ります。

 活字を拾っていくときに、少々欠けた文章の、歯抜けた字面に出会ったら、別の比喩にて補いましょう。

 それでは目次、朝からの、続く字列を拾ってゆきましょう。