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手のひらに海

四時間目とか、超だるい。
で、ノートの上で手を合わせ、静かに開いたら、そこに海が生まれた。

「は?」っていうか手の中ぎっちぎちに海があって、溢れそうな海面で波も立ってて、ちょい重い。
「ちょ、これ」と友達に見せると「マ?」と返す彼女が覗き込み、波で毛先を濡らしてしまった。

先生がチョークを置き「今度はなんだ」と言う。
「海が」と言う前に「何でもいいから元に戻せ」と言われた。

私は手のなかの海を見た。航跡も白く走っていた。
手のひらをひっくり返し机に叩きつけた。海水が飛び散って騒ぎになったけど、手のなかの海は消えていた。
「さよなら、海」と呟くと「いや、さよならじゃねえし」と友達が髪を拭きながら笑った。